お疲れ様です。
私がたくさん本を読む中で「これはいい!」と思った書籍の書評を共有します。
書籍名:カネをかけずにお客をつかむ!
著 名:神田昌典
・著者について
コンサルティング業界を革新した顧客獲得実践会(現在は「次世代マーケティング実践協会」)を創設。
同会は、のべ2万人におよぶ経営者・起業家を指導する最大規模の経営者組織に発展、
急成長企業の経営者、ベストセラー作家などを多数輩出した。
1998年に作家デビュー。分かりやすい切り口、語りかける文体で、従来のビジネス書の読者層を拡大し、実用書ブームを切り開いたため、出版界では「ビフォー神田昌典」「アフター神田昌典」と言われることも。
総論
売れる方法が把握出来ていなければ、どれだけいい商品でも売れない。
昔は集客に困らなかったのだが(バブル時代など)、その時代の常識が今でも間違った常識として、まかり通っている。
集客に苦労する今の時代でも、正しい売れる常識を理解し、テストし、成果が上がる方法を継続すれば、どんな商品でも売れる仕組みを構築できる。
その手順を分かりやすくまとめていただいている本でした。
重要点3選
○お客が来なけりゃ会社は潰れる
→商品が売れなければ、いくらいい商材でも会社は潰れる。
皆様もよく下記のような話を聞く事があるのではないでしょうか。
1. いい商品を、安価で提供すれば自然に売れる。
2. ポジティブ思考でお客様に奉仕していれば、利益は自然についてくる。
3. 大手のようなモデルハウスを持てば、お客は集まる。
⇒これは全て嘘です。
根拠としては、商品が良くても分かりやすく説明(セ—ルス)しないとお客様が他の商品との違いを把握出来ないからです。
例えば、携帯電話を売るとして、
○最新型で今よりも快適にネットに接続される快適な携帯電話です。
○2022年7月に新発売され、今まで動画を見る為にダウンロ—ドで5分に1回止まっていたのが止まる事がなく、
今までの画素数の倍の画素数で見れ、綺麗な動画を見る事が出来る最新技術を使った携帯電話です。
どちらが具体的で分かりやすいかで言えば、下の方が圧倒的に売れる事になる。
売れない時代だからこそ、分かりやすいお客様の言葉で説明しないといけない。
○なぜお客をつかむ事が出来ないのか
→売り込みNG、サービスは歓迎される時代。
昔は集客をしなくても人が集まってきた。
ただ、今は物が売れない時代になり、みんな売り込みをかけられすぎている。
だから、何か欲しい商品があったとしても、営業マンから営業をされる事を毛嫌いし、簡単に問い合わせをしない。
⇒私自身も、服を買いに服屋さんに行ったとしても、店員さんから声をかけられると適当に話を99%流してしまいます、、、
そんな時代だからこそ、売り込みの前にサービスを提供する必要がある。
例えば、株式会社ソーコーという会社では、高級架電製品の輸入販売を行っていたようですが、
ある工夫をしただけで、前年度の230%の売上を達成したようです。
<工夫内容>
洗濯機のドアゴム交換キャンペーン(サービス提供)を有料で行った事であった。
マンション管理会社と交渉し、各マンションの掲示板にキャンペーンの案内を行った。
案内の内容としては、今洗濯機を使っている人に対して、ドアゴム交換(サ—ビス提供)を有料で行うというものだった。
すると問い合わせはひっきりなしにあり、ドアゴム交換を行う人の中から洗濯機本体を購入する人が続出したのであった。
○小予算で優良顧客をつかむステップ4つ
1.最小予算で小さな広告を出す。
⇒大幅に出すと、後戻りできないが、少額であれば取り戻しが効く!
少額で成功した方法を少しずつ金額を上げていくことで売上を予測でき、事業拡大につなげていく事が出来る。
また、少額で出せる広告枠が少なくても、興味がある人を集め、問い合わせ件数を増やす。
そこで見込み客が増え、資料送付や来店を促し、営業マンがクロージングを行う。
いきなり広告枠だけで販売する事を諦めれば、少額でも集客は可能である。
2.HPなどの次のステップの情報へアクセスさせ、その見込み客をリスト化する。
⇒HPなどの最後に資料請求など記載があるのは皆さまもよく見られているかと思いますが、それがまさにここの部分です。
無料資料請求を行う人がいた場合、その人は明らかに商品へのニーズがある人である。
そういった人が問い合わせしやすいように、資料請求フォーム、メール、電話などたくさんの方法を用意しておくと、良い。
理由に関しては、人によっては、営業されるのを嫌う為、営業マンからはなされる事を嫌う人もいれば、(この場合、メールやフォーム)急いで決断したいが為にすぐ繋がる電話をする人もいる為。
※特に、帰宅後の20時以降などは一番購買欲が高まる時間帯であるが、疲れて営業されたくないという思いをしている人も多い為、その時間帯のお客様が見込み客になりやすい(問い合わせしやすい)ような方法を取り入れていくべきである。
3.120%の情報を含むダイレクトメールによる説得
見込み客に対して、DMを送る。
DMの内容に関しては、以前のPASONAの法則を用いるのが良い。
※内容はPASONAの法則に沿っており、簡易的にその内容が記載されていた為、省略。
4.継続的なフォローを行う
1回DMを送って、その後、フォローをしないのは、小切手を換金せずに捨てるようなものだ。
フォローの具体例としては、下記の通り
3日後:営業マン電話
1週間後:資料再送
3週間後:展示会への招待状
6週間後:はがきのDM送付
※最後は3週間ごとに繰り返し
これに関しては、人によって動く方法が異なる為、様々なアプローチをした方が良いと思われる。
これを事前に決めておけば、後はやると決めた事を行えば、売上が積みあがっていく。
その他、みて置くべきポイント!
マーケティングの常識11のウソ
1.景気が悪ければ、広告は減らすべきである!
→景気が悪くても儲かる広告は出すべきである。
2.広告は何回も出さないと意味がない!
→1回出してダメなら、3回以上出しても意味がない。
3.認知度がないから、広告は効果がない。
→イメージ広告を出しているから、効果がない。
4.写真やイラストを多用しなければならない。
→広告を見させる事と、広告を見て行動させる事は違う
5.ダイレクトメールは短く簡潔に
→短いダイレクトメールが良いのではなく、行動を起こさせるダイレクトメールがよい。
6.低価格は重要である。
→価格以外の判断基準を教えないとお客は価格だけを求めてくる。お客は価値を求めている。
7.顧客ターゲットは明確にしなければならない。
→常にお客は移動するから、ターゲットを想定する事は出来ない。販売テストを通じて、常に把握すべき
8.理屈が通れば、お客は購入してくれる。
→購買は『感情』で決まり、『理屈』で正当化される
9.お客に尽くせば買ってくれる。
→可能性が高い見込み客を見つける方が大切。
10.顧客サービスが良ければ売れる。
「商品品質」「顧客サービス」が優れているから、お客が集まってくるわけではない。しかしその向上は、既存客の流出を避けるために必要である。
これに加えて、新規顧客を低価格で引っ張ってこられる能力を持つことが、これからの成功のカギ。
11.お客と対面する事により、信頼が生まれ、購買に繋がる。
→販売するときの目的は人間関係の構築ではない。成約する事であり、成約率を上げる為の営業の流れ作業化、システム化が大事。
上記の話は昔の人が作った感覚的なウソです。聞いたり、そう思ってしまったら、正してあげましょう!!!
最後に
自分もその方がよいと思っていた事がNGだった事が多数ありました。
(顧客ターゲットは明確にしなければならない、お客と対面する事により、信頼が生まれ、購買に繋がる、など)
ただ、やり方さえ守れば、小規模からでも、どんな業種でも売上拡大出来そうな方法が分かりやすく書かれている内容だと感じました。
色んな素晴らしいサービスや商品がある中で、購入者は選択肢がたくさんあるので、判断基準が明確に持ちにくい時代になったと私個人も感じます。
そこで価格以外の判断基準を与えてあげる事、分かりやすい説明をする事、1つ1つのステップの目的は次のステップへ進める事、見込み客の管理を行う事など丁寧に法則通りに進めていけば、まだまだ物が売れる時代だと思いました。
これから自分自身が物を買うとき、広告を見た時、売上が伸びている会社を見た時にどのプロセスが良かった、もしくは悪かったから購買判断を左右した(する)のかをすぐに言えるようにアンテナを張っていこうと思いました。
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