自分が絶対いいと思った商品や企画。せっかくなら、他の人にも認めてもらいたいですよね?

マーケティング

いきなりではありますが、あなたは収益増に繋がる施策や、業務負荷を軽減する施策を思いつかれた事はありませんか?

また、企業に対しても、その企業にピッタリの提案を思いついた経験でも構いません。

良い施策だとは思って自分なりに伝えたけれど、全然相手には良いと思ってもらえていなかった。

間違いなくいい案なのに、なぜ受け入れてくれないんだろう。

あなたもそんなご経験はありませんでしょうか。

「課長は自分の意見に賛同してもらっているけど、その上の役員を説得するのが難しい」

「収益は間違いなく上がるけれど、(施策に反対の)〇〇企業のあの人がいるから、なかなか施策が進まない」

私もそんなお客様の声を多数伺います。

そういったお声に対して、上司や取引先へ自分の意見が通りやすくなる提案書とは?!

という観点から今回はお送りさせていただきます。

実は良い提案書はとても理解しやすく、感情を揺さぶるような論理があり、

最終判断をされる方の判断を大きく好転する事に繋がります。

いくら内容が良い提案書でも、理解しづらく、感情を揺さぶられなければ

採用される可能性は限りなく0に近づいてしまいます。(とても勿体ない!!)

コピーライティングの名言でも、

「人は感情に基づき行動し、論理で正当化する。」という言葉があります。

あなたの上司、ご家族様、ご友人でもついこの前始めた事をやめた理由を聞くと、

それっぽい感じで論理的に説明しているように感じますが、実はその論理は後付け。

それは感情で決めた行動を後から正当化しているに過ぎない、という内容を表した言葉になります。

身近な例ですと、

ダイエットをしようと思うも、なかなか痩せる為の努力を始められなかったり、

始められたけれど、継続出来なかった方。

こういう方に何故辞めてしまったのか理由を聞くと、こんな言葉が出てくると思います。

『仕事が忙しくて、ダイエットどころではなくなった。』

『御馳走を食べる機会があり、今日だけはダイエットを辞めざるをえない、、、

(その後、辞める事が継続してしまう。)』

『ダイエットのストレスで逆に暴飲暴食になり、太るから辞めた。』

感情では「めんどくさい」「頑張るのが嫌」「我慢できない」という【感情】で決定しているにも関わらず、

あたかもダイエットが出来ない理由を正論かのように話しているに過ぎないのです。

(あくまでダイエットの話ですが、それ以外の仕事の話でも同様に

感情が先行して行動を決める、という事は行動経済学の実験から明らかになっています。)

なので、理解しやすい事に加えて、感情を揺さぶる事が出来る内容が

良い提案書には必要になってきます。

ここまでの内容を踏まえて、消費者の購買に関するマーケティングの法則を転用した、

理解しやすく、感情を揺さぶる提案書の流れをご紹介させていただきます。

今回ご紹介するのは、

世界においては当たり前になっている「ダイレクトレスポンスマーケティング」を日本に普及させた第一人者だと言われています

神田昌典さんの発信した

PASONAの法則です。」

これは消費者の購買意欲を掻き立てる時に必要な文章構成の

頭文字を取ったものになりますが、それが下記項目になります。

1.     P→Problem(問題提起)

2.     A→Affinity(親近感・共感)

3.     S→Solution(解決策の提示)

4.     O→Offer(提案)

5.     N→Narrow down(絞り込み)

6.     A→Action(行動の呼びかけ)

それぞれ詳細は以下の通りです。

1.『問題提起』(Problem)

→抱えている問題、切望する欲求を明確化する。

例えば、ダイエットの例だと、

「ダイエットしたくてもなかなか継続出来ない」

「結婚式に向けて痩せたいけど、どうすればいいか分からない」

「今まで色んなダイエット方法を試したけど、どれも自分と合わない」

というお悩みはありませんか?という言葉を投げかけるのです。

そうする事で、その提案書を見た人は

「そうそう、そういう事で自分は困っている!!!」

と次の内容に目が移っていきます。

≪ポイント≫

ターゲットを絞り込み、問題を1つに限定することで、本当に悩んでいる人、

困っている人が見た時に「これは自分のために書かれた内容だ」と感じてもらう事が大事です。

※問題を1つに絞ってしまう事でそれを問題だと思わなければ困る、と考えられるかもしれませんが、

その問題をあまり課題に感じられていない方には0点の内容でも、早急に解決しなければいけない課題だと思っている方に

120点をもらえる内容の方が結果的に振り向いてもらえる確率も行動してもらえる確率も各段に上がるので、ここは我慢してしっかり問題点は1つに限定してください。

2.『親近感・共感』(Affinity)

 →問題に対して寄り添い、自分も同じ境遇だったと共感する。

ここでも先ほど同様、ダイエットを例に出すと、

「実は私も2年前、ダイエットに取り組んだのですが、その時も友人にスイーツに誘われたり、運動をしようと思っても、何かしら言い訳を付けていて、結局家でダラダラしてしまったりしていました。」

「私も10年前~3年前にかけて、朝バナナや糖質オフダイエット、プチ断食など様々なダイエットを試しましたが、どれもなかなか自分には合わず、新しい事を始めても、どれも中途半端に終わってしまうものばかりでした。」

というように問題に対して、より具体的に状況を記載し、共感をします。

ここまで読み進めてくれた人は

『そう、そう!』と読んだ内容に読む人の心の中でYESが続いて、読む勢いがついてきて(滑り台効果)、書き手も自分と同じように苦労している事が分かる事で内容に集中し、その状況から次にどういった内容を伝えてくれるのか、という事が少し楽しみになってきます。

3.『解決策の提示』(Solution)

 →問題が解決できる方法、欲求が実現する方法を伝える。

問題点を指摘し、読み手の気持ちに共感していることを伝えたら、

次はその問題に対しての解決策を伝えていきます。

『継続出来ない方にはこのダイエット方法があります!』

『朝起きて出かける前にたったこれをしただけ!』

  ここでは、自分が一番伝えたい内容(解決策)を伝えます。

  同じような立場であると共感してくれて読み進めてくれている人は、解決策に興味が湧いているはずです。

4.『提案』(Offer)

  →提示した解決策について、より具体的に(根拠や効果の証拠等を)解説します。

   例えば、解決策に関連するこんな内容を記載します。

   ✓提示した解決策で効果があった根拠や証拠

   ✓実際の体験談

   ✓実際に使用している他の人の口コミ

   ✓他の商品との比較

   ✓商品のメリット、デメリット

   ✓商品を使うことでのベネフィット(利益)

   

良い提案をしたとしても、人はそう簡単に信じないので、

ビフォーアフターの写真やその分野で権威がある方や専門家の推薦、実際利用した人の声などを使って、しっかりと証拠を提示していく必要があります。

 ≪ポイント≫

読み手が聞きたいと思う事は120%説明し切って、不安をすべて払拭する。

人間は頭の中でプラスのイメージを作った後に、それを行動に移します。

問題点が解決された後の姿や感情がリアルにイメージできるように

「できる」「なれる」という言葉を使うと良いです。

さらに数字を入れる事で、グッと具体性が増すので、出来る限り具体的な数字は入れるようにして下さい。

例)たった10日間で、最低5Kg痩せます。

この時、伝えたい自分目線の特徴やメリットではなく、提案書を読んでくれた方の目線で

結果的にその人にどんな未来をもたらすのか?(ベネフィット)を明確に伝える必要があります。

5.『絞り込み』(Narrow down)

→限定性、希少性を伝え、解決策を手に入れられる条件を挙げる。

「XX会員限定」「XX名限定」などの限定性、希少性を使って、手に入れられる人が

限られていることを伝える。人は限定性、希少性のあるものに弱いので、

最終的なアクションを促すために、ここをしっかり訴求することが重要。

≪ポイント≫

解決策を手に出来る人が限られていることを伝え、読み手に優越感を感じさせる。

「●●の人だけがこの選択を取り得るのです!」

「この期間にやるべきです!理由は、、、」

このように、全員に伝えているのではない事を強調する事で、

読み手が自分に対して語り掛けられているように感じ、次の行動に移りやすくなっていくのです。

6.『行動の呼びかけ』(Action)

→緊急性、簡便性を伝え、行動への最後の後押しをする。

「XX日まで」などの緊急性を使って、今すぐ行動しなければいけない理由を伝える。

さらに、最後に具体的に取ってほしい行動と、それが手間が掛からないことを伝え、

読み手の背中を押す。

≪ポイント≫

今すぐ行動すべき理由(差し迫った必要性)と具体的な方法をセットで伝える。

PASONAの法則は、経営コンサルタントで日本を代表するマーケターでもある神田昌典氏が提唱する

消費者の購買に関するマーケティングの法則のことです。

このPASONAの法則は理論からできたわけではなく、実践を通して生まれたものだと言われています。

実践を通して成功している法則を真似するのが、楽に効果が出る一番の方法かと思われます。

ですので、あなたも上司や取引先への提案を通したい時は、是非このフローを考えながら作ってみてください。

1.   P→Problem(問題提起)

2.   A→Affinity(親近感・共感)

3.   S→Solution(解決策の提示)

4.   O→Offer(提案)

5.   N→Narrow down(絞り込み)

6.   A→Action(行動の呼びかけ)

以上でございます。

次回は「人は何かをしてもらうとお返しをしたくなる?!」に関して配信させていただきます。

<追伸>

第一印象が良い人はどんなこともプラスになる?

  1. 「誠実で真面目に働いているように見えるが、実は仕事は雑で嘘をつく事もある」
  2. 「あの人は嘘つきで雑な仕事をしそうだが、誠実で、真面目な面もある」
  1. と2.どちらが印象が良いでしょうか。

実は、どういった順番で聞いたかでその人の印象が変わるのです。

これをハロー効果と言い、人はある対象を評価するとき、その一部の特徴的な印象(良い場合や悪い場合)に引きずられて、

それ以外の全体の評価を決定してしまう事がたくさんあります。

※印象が〇⇒×では落差が大きく、結果的に信頼出来ない人になってしまいますが、

逆に印象が×⇒〇だと、実は信頼出来る人ではないかという印象になるのです。

(自分では気付かない事も多いですが、)ご友人の方が好きな相手の欠点が目に入っていなかったり、

欠点さえ良く見えてしまったりする状態を見た事、一度はご経験がありませんか。

(そういう時、アドバイスを求められて何か助言しても、聞く耳を持ってもらえない事が大半だと思います。)

また、ハロー効果は研究でも実証されており、

見た目という特徴的な印象が良ければ、そうでない人に比べて、年収が高くなる、という事も言われております。

Ex)実際に「美人は生涯で3000万円得している」という海外大学の研究結果や

大卒・大学院修了の男性の場合、生涯年収で見た目が良い人は、そうでない人よりも4760万円多いという研究結果が出ています。

もちろん、印象は見た目だけでなく、それ以外の所作や言葉遣い、身振りなどの特徴でも印象を良くする事も出来ますので、普段から意識して印象を良くする事が大事になります。

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